こんぴらまいり
香川県仲多度郡琴平町にある金刀比羅宮に参拝に行ってまいりました。
金刀比羅宮ってどんなもの?
琴平山の中腹に鎮座し古くから「海の神様」として親しまれている大物主神、それから崇徳天皇を合祀した、全国の金刀比羅神社の総本宮のことを言います。後になってわかったことですが、金刀比羅神社、琴平神社、金比羅神社は全国に約600もあるそうです。支店がいっぱいありますね。現在の大企業でいうとあなたのご自宅の近くにも実は存在しているかもしれませんね。
姉の住む神戸のアパートの最寄り駅からJR神戸線、山陽本線を乗り継ぎ岡山駅まで行きました。
香川県まで行くまでの列車の乗り換え時間に余裕があったので、岡山駅周辺を散策しました。「晴れの国おかやま」と言われているものの(降水量1mm未満の日が日本一多い)、この日は曇りでした。曇り男ここにあり。岡山は学生服の生産が全国で1位ということは多くの方が周知していることだと思います。しっかりと駅前に「カンコー学生服」の看板が鎮座していました。
岡山駅からマリンライナー号に乗り、瀬戸大橋を通過している途中(列車の上は瀬戸中央自動車道)、向かって左側に川崎重工業の坂出工場が見えてきました。橋の上から俯瞰すると、休日にも関わらず工場付近ではトラックが行きかっており、船舶の建造に勤しむ方々の姿が見てとれました。また、煙突から煙がもくもくと立ち上っており、高度経済成長後の公害問題が頭に浮かんできました。人間は利益を生むことだけを考えると予想だにしない状況を生み出しますから。
そんなことを考えていると、いよいよ四国本土に上陸し、向かって左に丸亀城が見えてきました。余談ですが、丸亀城は日本一高い石垣を有する反面、日本一小さい天守閣を有するという特徴をもっています。
さて、坂出駅でJR予讃線に乗り換え、どこかで既視感のある、そう、長野県と同じようなのどかな風景を横目に電車に揺らされること約50分、ようやく琴平駅に到着いたしました。
電車から降りる前に駅周辺は観光客でごった返しているだろうと思ってましたが、意外にも観光客がいなくてびっくりしました。しかし、参道入口まで歩を進めると公共交通機関を使っての参拝客よりも、自家用車で来る観光客のほうが多いことに気づきました。
そうこうするうちに参道入口にやってまいりました。ここから本宮まで785段、奥社まで行くとなるとさらに583段もの石段を上ると考えると、少々気が滅入りますが、江戸時代の人々がこぞって参拝した、さらには人間が参拝できない代わりに飼い犬までもがきんちゃく袋にお賽銭を抱え参拝したということを考えると、自分も参拝しないわけにはいかないという思いから一人孤独なまま歩を進めました。
本宮に到着しました。大物主神と崇徳天皇が合祀されている。農業・殖産・医薬・会場の守護など、当時の人々にとっても、現代の人々にとっても霊験あらたかな神社であることに二言はないでしょう。しっかりとお賽銭を投げ、2礼2拍手1礼で、家族の健康、就職のことなど自分だけでなく、周りの人々にもご利益があるように祈願しました。
本宮での参拝を終え、いよいよ奥社に向かいました。さすがに急坂に加えて、何百もの石段を上るとなると足が痛くなりました。何とか耐え、奥社につきました。あいにくの小雨で頂上からの景色は...... 曇り男の本領発揮しました。しかし、未開の地において1368段もの石段を上がってきた達成感は際限のないものでした。
この達成感を等価交換できる物はないかと考えたときに、日常で持ち歩けるお守りを目にしました。
「天狗御守」
家族の人数分購入いたしました。災いから身を守ってくれるご利益があるそうです。
本州本土に戻る電車の時間が迫ってきているので、足早に石段を下りました。本宮を後にし、境内を出る手前で「加味代飴」を売る「5人百姓」に再会しました。彼女らは境内でモノを売ることができる唯一の存在なのです。
時間が押していなければ絶対に購入していました。また来ます。
境内を出た後はお店が立ち並んでおり、食べ歩きをしたい、土産物を漁りたいという気持ちを押し殺し、琴平駅に戻ってまいりました。
自身にとっての未開の地四国。その中でも香川県を選んだ。うどんの消費量は全国1位。
「香川って何が有名?」「うどん」
香川県を熟知していない人はうどんのイメージが圧倒的に強いと思います。
しかし、いざ現地に赴いてみると、世間に広まるイメージに劣らない文化財の威厳を「こんぴら詣り」を通じて感じることができました。
もう一回行きたいと思える場所でした。